一般社団法人沖縄県軍用地等地主会連合会(土地連)

沖縄の軍用地に関する問題解決、地主の財産権の擁護及び福利増進を行っています。

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土地連の歩み-通史編

第一編 軍用地問題の変遷
(第三章 復帰後の事業活動)

第一節 不在者の財産管理

一 はじめに

(一) 不在者の財産管理について

  • イ、意義
    不在者財産管理は、不在者がその財産の管理人を置かなかった場合、家庭裁判所が利害関係人又は検察官の申立てによって管理人を選任し、家庭裁判所の後見的監督の下で、管理人をして不在者の財産の管理・保存に当たらせる制度である。
    そして、家庭裁判所の命ずる必要な処分としては、管理人の選任、改任、辞任並びに民法二七条三項(管理人に命じ行わせる封印命令、換価命令等の管理保存処分)及び二八条(管理人の権限外行為許可)に基づく行為がある。また、不在者財産管理に関係する事件としては、不在者財産管理人選任事件及びこれに付随して申し立てられる不在者財産管理人の権限外行為許可申立事件、報酬付与申立事件などがある。
  • ロ、法的性質
    不在者財産管理の制度は、不在者の財産が放置されて散逸することによって受ける不在者の損失を防止し、不在者の保護を図るために不在者の財産を保存するものである。そして、相続人、債権者、その他の利害関係人を保護し、ひいては国家の利益ないし国民経済上の利益を保護する趣旨も含まれている。
    不在者財産管理は、管理人が不在者の帰来時までの間は、不在者の財産全般の管理を継続する法的性質のものであるから、原則的には、個別の財産ごとに複数の管理人を選任したり、個別の財産の状況だけで財産管理手続きの全体の管理を終了することまでは、制度的に予定していないと解されている。
  • ハ、管理開始の要件
    不在者自身において財産を管理することができないこと
    ① 不在者とは、従来の住所又は居所を去って容易に帰来する見込みのない者をいう(民法二五Ⅰ)。不在者は、必ずしも生死不明であることを要しない。また、生死不明であっても、死亡が証明されるか、失踪宣告が確定するまでの間は、不在者に当たるといえる。
    ② 利害関係人又は検察官からの申立てがあること(民法二五)
    ③ 管理すべき財産の存在

(二) 不在者財産管理人の地位、権限及び職務

  • イ、地位
    不在者財産管理人は、民法の定める要件に従って、不在者の財産管理のために家事審判法に定める手続きで選任されるもので、その地位は不在者の法定代理人である。
    (なお、不在者も自分の財産についての財産管理権や訴訟追行権を失わないと解されるので、不在者財産管理人は、不在者が事実上行使できない財産管理権を不在者に代わって、その利益のために行使することになる。)
  • ロ、権限
    不在者財産管理人の権限は、権限の定めのない代理人と同一であり、保存行為及び目的たる物又は権利の性質を変えない範囲内での利用又は改良を目的とする行為をすることができるが、この範囲を超える行為をするには家庭裁判所の許可を必要とする。
  • ハ、職務
    一般的義務:不在者財産管理人の職務は、主要な管理行為として、財産目録調製義務及び財産状況の報告・管理計算義務が法定されているほか、保存上必要な処分命令に服する義務、担保供与義務が定められている。(但し、担保供与義務を命じられた実例は乏しい。)職務遂行上は、不在者との関係が委任契約関係に類似するため、家事法で民法の委任契約に基づく受任者の善管注意義務、受取物引渡義務、費用償還請求権等に関する規定が準用される。
    なお、不在者財産管理の制度についてまとめたものは(「表第1」)で、管理人選任の申立てから管理終了に至るまでの手続きの概要については、(「表第2」次頁)のとおりとなる。

二 土地連における不在者財産管理

(一) 経緯

土地連が不在者の財産管理を行うことになったのは、那覇防衛施設局長から土地連会長宛の依頼文書(昭和四十九年二月六日付け 標題:「提供施設等に係る土地のうち不在者所有土地の財産管理人について」)によるものである。

同文書(要旨)は、「那覇防衛施設局においては、現在提供施設等に係る土地のうち、所有者の居所等が不明なものについては、これまで「沖縄における公用地等の暫定使用に関する法律(昭和四六法一三二)」(以下、「公用地等暫定使用法」)第二条第三項の規定に基づき官報公示を行い、所有者等の発見に努めてきたところであるが、(「表第3」)のとおり居所の確認ができないもの(氏名が不明であるものを除く)があるので、確認ができるまでの間、土地連で当該財産の管理人を引き受けて頂きたい」とし、「同意できるならば、当該財産の管理人の選任について那覇地方裁判所へ諸手続きを行う。土地連が家庭裁判所から不在者所有土地の財産管理人に選任されたら、土地連と当該土地の賃貸借契約締結を行いたい」という内容で、不在者所有土地について土地連との契約締結を要望している。(この時点の不在者数は二九六人、三二九筆、五六、三三〇・二五平方メートルである。)

前述の依頼文書を受けて、一九七四年(昭四九)二月十四日土地連は役員会を開催(議題:「居所不明軍用地等の財産管理の件について」)、会議では「財産管理については、復帰前の未払い軍用地料と違い、土地連の責任において管理ができる」「土地連が管理することによって、地主の保護にもなる」等の意見が出され、全員一致で財産管理の受諾を決定。同年二月十九日には那覇防衛施設局宛、その旨を報告した。

また、一九七五年(昭五〇)四月十四日開催の役員会(比嘉貞信会長)では、「昭和五十年度 居所不明土地管理特別会計歳入歳出予算案について」を提案。その提案要旨は「管理財産の今後の管理等を考えて特別会計を設置し、管理を続ける」よって、「職員を一人、管理者として配置し、この特別会計の枠内で権利者の確認等の処理をさせていく」等で、審議の結果、全員一致で原案どおり決定した。この決定により、実質的に土地連における「不在者の財産管理業務」体制が整うことになった。

以上のことから、当該不在者の財産管理については、那覇防衛施設局においては米軍及び自衛隊用地の使用権原の確保、また、土地連においては軍用地主の財産権保護ができるという点で双方において利益があったといえる。


 

「表第1」 不在者財産管理制度
管理の対象 不在者の財産(民法25Ⅰ)
管理の主たる目的 保存
管理人の地位の法的性格 不在者の法定代理人
管理人選任事件の申立権者 利害関係人及び検察官(民法25Ⅰ)
管理終了に至るまでの手続 手続の積み重ねを予定していない
〜公告は不要
裁判所の管理人に対する監督 広範
(家審規32〜37)
管理人の権限 原則として保存,利用・改良行為に限られ,
その他については権限外行為許可の審判が必要(民法28前,103)
管理人の報酬 管理財産の中から相当の報酬を付与することができる(民法29Ⅱ)
管理終了事由 ① 管理財産の消滅
② 管理人から不在者又は不在者の委任管理人,
相続人に対する管理財産の引継ぎ
管理終了手続 不在者本人が管理人を置いたとき(民法25Ⅱ),
不在者が自ら財産を管理できるようになったとき,
不在者の死亡が判明したとき,
失踪宣告がされたとき(民法30)は,
処分取消しの審判(家審規37)が必要

 

「表第3」

不在者所有土地市町村別・施設別一覧表

1974年(昭和49)1月23日作成

市町村名 FACNo. 施 設 名 所有者数 筆 数 面積 (㎡) 備 考
読谷村 6021 ボロー・ポイント射撃場 7 11 2,900.13
6022 嘉手納弾薬庫地区 8 10 1,939.75
6025 読谷陸軍補助施設 2 2 826.00
6027 読谷補助飛行場 3 4 1,931.00
6036 トリイ通信施設 1 1 69.00
小 計 21 28 7,665.88
具志川市 6030 天願通信所 1 1 532.00
6031 キャンプ・マクトリアス 20 20 1,644.00
6034 平良川通信所 2 2 85.91
小 計 23 23 2,261.91
美里村 6032 キャンプ・シールズ 2 2 181.00
6046 泡瀬通信施設 66 67 2,766.64
小 計 68 69 2,947.64
北谷村 6037 嘉手納飛行場 13 17 2,315.00
6040 砂辺陸軍補助施設 1 1 72.72
6043 キャンプ・桑江 2 2 88.00
6044 キャンプ・瑞慶覧 8 16 4,619.87
6045 瑞慶覧通信所 1 1 380.16
6076 陸軍貯油施設 3 3 581.00
小 計 28 40 8,056.75
コザ市 6037 嘉手納飛行場 2 2 2,227.00
嘉手納町 6037 嘉手納飛行場 16 20 5,174.96
北中城村 6046 泡瀬通信施設 29 29 910.91
勝連村 6048 ホワイトビーチ地区 3 3 607.00
宜野湾市 6051 普天間飛行場 9 10 2,220.48
6052 キャンプ・マーシー 1 1 462.00
6076 陸軍貯油施設 2 2 38.91
小 計 12 13 2,721.89
浦添市 6056 牧港補給地区 14 17 8,847.00
6076 陸軍貯油施設 1 1 33.00
小 計 15 18 8,880.00
那覇市 6061 牧港住宅地区 46 50 7,472.00
6064 那覇港湾施設 9 9 1,894.38
6066 那覇空軍海軍補助施設 15 16 3,912.93
陸上自衛隊那覇駐とん地 9 9 1,587.00
小 計 79 84 14,866.31
合 計 296 329 56,320.25

 


 

以下、「不在者財産管理人関係事件における手続きの流れ」に沿い、土地連の不在者財産管理状況を記述する。

(二) 申立て

土地連が不在者の財産管理人を受諾したことにより、申立権者国は那覇家庭裁判所に土地連の財産管理人を請求することになった。なお、管理人選任申立事件の申立権者は、利害関係人又は検察官であり(民法二五ー一)、また、利害関係人とは不在者の財産の管理・保存について、法律上の利害関係を有するものであると定められ、単なる友人や隣人というだけでは当たらないが、不在者の財産が法律上管理されることにつき何らかの実益を有するものであれば、法律上の利害関係があると認めている。

一般的には不在者財産管理人の申立て人は、遺産分割協議や大規模な公共事業用地買収に応じる為といった自分自身の利害が絡む目的のために、不在者財産管理制度を利用することがほとんどであるといわれている。

なお、財産管理人の適格要件としては、不在者の財産を保護できる者で、かつそのような能力を有している者であることが要求されている。

(三) 不在者財産の管理経緯と現状

土地連は那覇家庭裁判所からの審判(「不在者の財産管理人選任審判事件」)により、不在者の財産管理人に選任されたが、その受け入れ期間は一九七四年(昭四九)三月三十日から一九八三年(昭五八)四月十四日の九年間で、件数は、二四四件(二四四人)である(「表第4」次頁)。当初、那覇防衛施設局が確認した不在者数二九六人よりは幾分少なくなっている。これは土地連が財産管理人に選任される間に不在者及び相続人等(以下、「不在者等」)が確認されたことに伴うものである。

土地連が管理する不在者の財産としては、土地及びそれに係る金員(以後、「管理賃貸料等」という)であるが、管理当初から現在(二〇〇五年三月三十一日)までの経緯は左記のとおりとなっている。

  • イ、土地
    管理当初の面積は四一、三二〇・四〇平方メートル、二六六筆、地目は墓地一九三筆、畑三三筆、原野一九筆、宅地九筆、山林六筆、田五筆、その他(池沼・溜池)二筆で、一一市町村に所在していたが、その後の管理処分取消し及び売却に伴い、現在の管理する面積は一、〇七二・八七平方メートル、一〇六筆(売却土地は一一二筆)、地目は墓地八八筆、田五筆、畑五筆、原野三筆、宅地二筆、山林一筆、その他(池沼・溜池)二筆で、九市町村に所在する。依然として墓地が多く、全地目の八三パーセントを占めている。
  • ロ、管理賃貸料等
    土地連は那覇家庭裁判所から不在者の財産管理人に選任されたことに伴い、不在者所有土地(当初二四四件)について、不在者に代わり収益を得るため、民法六〇二条の規定に基づき(不在者所有土地については、賃貸借をする時は五年)により那覇防衛施設局長と五年の賃貸借契約を締結。それに伴う賃貸料を請求・受領し、管理を行うことになった。なお、賃貸借契約期間の五年が満了した土地については更に五年毎の賃貸借契約を行っている。

管理賃貸料等の内訳は、那覇防衛施設局との賃貸借契約による賃貸料及び返還に伴う補償金等の他に、公的機関への売却金、DE不動産部からの復帰前未払賃貸料、沖縄県からの復帰前未払賃貸料となっている。

当該管理賃貸料については、これまで合計四億四、〇〇六万八、五三六円を受領、保管をしてきたところであるが、不在者等が確認されたことに伴う、一億一、七四六万六、四三一円の引き継ぎを完了した結果、現在三億二、二六〇万二、一〇五円を管理している状況にある。

(四) 不在者財産の管理形態

土地連が那覇家庭裁判所から、財産管理人に選任された当初の不在者所有土地については、那覇防衛施設局と賃貸借契約を締結したことにより、その全部が米軍用地及び自衛隊用地として使用されていたが、現在は、その後の返還及び家庭裁判所からの権限外行為許可に基づく売却により、その管理する形態も、

  • (1) 「那覇防衛施設局と賃貸借契約をしているもの」(以下、「施設区域等提供」)
  • (2) 「売却したもの」(以下、「売却・管理」)
  • (3) 「返還されたもの」(以下、「返還・管理」)と変化をしている。

以下は、現在土地連で管理する全不在者一一七件(一一八筆)、一一、〇七二・八七平方メートルの形態別による内容である。(「売却したもの」は、金銭管理のみであるが統計上、算入する)

  • イ、「施設区域等提供」
    「施設区域等提供」とは、前述のとおり財産管理人である土地連が不在者に代わり、管理する土地を米軍用地及び自衛隊用地の用に供するため、那覇防衛施設局と賃貸借契約を交わしているものである。該土地についてはその賃貸料を毎年請求・受領している。該土地は四八件(四七筆)、地目は墓地三七筆、畑五筆、原野二筆、田一筆、その他二筆、面積は六、三五九・九六平方メートルで、八市町村(具志川市、沖縄市、嘉手納町、北谷町、北中城村、宜野湾市、浦添市、那覇市)、一二施設区域等(キャンプ・マクトリアス、嘉手納飛行場、嘉手納弾薬庫地区、キャンプ・シールズ、キャンプ・瑞慶覧、陸軍貯油施設、キャンプ・桑江、普天間飛行場、牧港補給地区、陸自・那覇駐屯地、陸自・那覇訓練場、陸自・那覇基地)に所在し、管理賃貸料等は一億一、六五八万八、四九〇円である。
  • ロ、「売却・管理」
    「売却・管理」とは、那覇防衛施設局と賃貸借契約後、米軍用地等として使用されていた土地が米軍の都合により返還され、その後、財産管理人である土地連が不在者に代わり、国及び県の公的機関へ売却(国道及び公園用地として整備することに伴い)したものである。なお、不在者財産管理人の権限は民法一〇三条で定める権限のみ(一、財産を現状のまま保存すること二、物や権利の性質を変えない限度で財産を利用し、改良すること)で、その範囲を越えるものについては家庭裁判所の許可を必要とすることから、売却に当たっては不在者財産管理人である土地連が申立て人となり、那覇家庭裁判所へ申立を行いその許可(権限外行為許可)を得て行うことになる。これまでに売却した土地は一一二件(一一二筆)、面積四四五・〇〇平方メートルで、二市(沖縄市、那覇市)、二施設区域(泡瀬通信施設、那覇港湾施設)に所在した土地である。売却金は管理賃貸料等と共に(合計七、八〇五万九、四九九円)管理・保管をしている。
  • ハ、「返還・管理」
    「返還・管理」とは、那覇防衛施設局と賃貸借契約を交わし、米軍用地として使用されていた土地が米軍の都合により返還されたものである。
    該土地の返還状況は(「表第5」次頁)のとおりであるが、五七件(五九筆)、地目は墓地五二筆、原野三筆、畑二筆、山林二筆で、面積は四、二六七・九一平方メートル、管理賃貸料等は二、一一〇万五、〇三〇円である。

なお、該土地については返還前までの管理賃貸料等以外に財産管理人としては返還土地そのものの管理も必要とする。そのことから、現地調査(二〇〇〇年)を実施し、その状況を確認してきたところである。以下は、その概要である。
(現地調査にあたってはあらかじめ不在者等の調査を行い、その結果、確認できたものは、「不在者等」ではないため本調査からは除いた。)

沖縄市:泡瀬通信施設返還跡地

  • ① 現地調査対象件数:三三物件。全物件が「墓地」地目。
  • ② 物件の所在地:沖縄市東南方の比屋根加那原、与儀下口原の標高約二二メートルの山地に一〇物件。比屋根東原の標高約三九メートルの山地に二二物件。同橋川原に一物件、所在。
  • ③ 物件の状況:土地(墓地)のほとんどが山の側面を掘りぬいて形成した「掘りぬき墓」であるが、廃墓が多い。該土地周辺も墓地地域である。

北中城村:泡瀬通信施設返還跡地

  • ① 現地調査対象件数:一四物件。全土地が「墓地」地目。
  • ② 物件の所在地:全土地が、公園(県「運動公園」)内に所在。
  • ③ 物件の状況:全土地が山の側面を掘り抜いて形成した「掘りぬき墓」で、山地全体に墓地が所在。廃墓が多い。

具志川市:平良川通信所返還跡地

  • ① 現地調査対象件数:一物件(地目「墓地」)。
  • ② 物件の所在地:具志川市字上江洲前原「具志川市民俗資料館」から東方向約一八〇メートルの小高い岩山に所在。
  • ③ 物件の状況:小高い樹木の茂る岩山に所在。墓地の形跡あり。

同市:同上返還跡地

  • ① 現地調査対象件数:一物件(地目「墓地」)。
  • ② 物件の所在地:具志川市字仲嶺苦増原「具志川市民俗資料館」から南方向約一五〇メートルの岩山に所在。
  • ③ 物件の状況:草木が繁茂し、墓地の形跡もない。

同市:天願通信所返還跡地

  • ① 現地調査対象件数:一物件(地目「宅地」)。
  • ② 物件の所在地:具志川市みどり町具志川市役所から東方向約三〇〇メートルの土地区画整理地域内に所在。
  • ③ 物件の状況:返還後土地区画整理事業が実施され(昭和五十四年~平成二年)一般住宅、公共施設等が立ち並ぶ区画整然とした地域。

読谷村:ボローポイント射撃場返還跡地

  • ① 現地調査対象件数:一物件(地目「畑」)。
  • ② 物件の所在地:読谷村字波平犬桑江原「JAゆいな読谷村経済事業所」(現、JA沖縄読谷支店経済課)から北西方向約一五〇メートルの県営畑地帯土地改良事業波平地区内に所在。
  • ③ 物件の状況:畑地。

同村:読谷補助飛行場返還跡地

  • ① 現地調査対象件数:一物件(地目「畑」)。
  • ② 物件の所在地:読谷村字座喜味石根原 県道一二号線「座喜味入口バス停」から北西方向約一七〇メートルに所在。
  • ③ 物件の状況:急勾配な斜面に位置し、荒地。下方は河川。

那覇市:牧港住宅地区返還跡地

  • ① 現地調査対象件数:五物件(全物件が「墓地」地目)。
  • ② 物件の所在地:かつては那覇新都心地区内に散在していたが、区画整理事業により、全土地が同地区内の墓地地域に集約されて所在。
  • ③ 物件の状況:整然と区画整理された墓地地域。

 

「表第4」

事件毎の件数等表

(財産管理人選任直後に解除された3件を除く)

年月日(昭和) 財産管理人選任申立事件番号 件数
49年 3月30日 昭和49年(家)第338号~第393号 55
49年 3月30日 昭和49年(家)第394号~第441号 47
49年 3月30日 昭和49年(家)第442号~第488号 47
49年 3月30日 昭和49年(家)第489号~第534号 45
50年 3月26日 昭和50年(家)第304号 1
50年 3月31日 昭和50年(家)第322号 1
50年 3月31日 昭和50年(家)第323号 1
50年 3月31日 昭和50年(家)第324号 1
50年 3月31日 昭和50年(家)第325号 1
50年 3月31日 昭和50年(家)第326号 1
50年 3月31日 昭和50年(家)第327号 1
51年 1月 7日 昭和50年(家)第1306号~第1343号 38
51年 1月28日 昭和51年(家)第106号~第107号 2
51年 3月 8日 昭和51年(家)第225号 1
55年 7月24日 昭和55年(家)第1141号 1
58年 4月14日 昭和58年(家)第618号 1
244

 


 

「表第5」

返還状況表

所在市町村 件 数 返 還 施 設 ・ 区 域 返還件数
沖 縄 市 24 ・ 泡 瀬 通 信 施 設 1976. 3. 31 返還 23件
・     〃 1982. 3. 31 返還 1件
北 中 城 村 11 ・ 泡 瀬 通 信 施 設 1976. 3. 31 返還 10件
・ キャンプ瑞慶覧 1986. 8. 1 返還 1件
具 志 川 市 3 ・ 平 良 川 通 信 所 1973. 6. 30 返還 2件
・ 天 願 通 信 所 1973. 9. 15 返還 1件
読 谷 村 6 ・ 嘉手納弾薬庫地区 1977. 6. 30 返還 1件
・     〃 1999. 2. 25 返還 1件
・ 読 谷 補 助 飛 行 場 1978. 4. 30 返還 1件
・ ボローポイント射撃場 1974. 8. 15 返還 1件
・     〃 1974. 10. 31 返還 1件
・ トリイ通信施設 1973. 10. 16 返還 1件
那 覇 市 13 ・ 牧 港 住 宅 地 区 1980. 3. 31 返還 1件
・     〃 1987. 5. 31 返還 12件
57 9 施 設

 


 

(五) 不在者の特徴

主な項目から「管理形態」をみると土地連管理不在者の特徴がわかる。

  • イ、件数と管理金額から
    件数は「返還・管理」五七件(四九パーセント)、「施設区域等提供」四八件(四一パーセント)、「売却・管理」一二件(一〇パーセント)となっているが、管理賃貸料等は「施設区域等提供」約二億二、三〇〇万円(六九パーセント)、「売却・管理」約七、八〇〇万円(二四パーセント)、「返還・管理」約二、一〇〇万円(七パーセント)となっている。このことから、「返還・管理」の件数は最も多いが、管理賃貸料等は最も少ないことがわかる。一方、「施設区域等提供」は件数的には全体の約四割にすぎないが、管理賃貸料等は最も多く、全体の約七割を占めている。その理由としては、「施設区域等提供」は定期的(毎年)に賃貸料が入り、それに伴い管理賃貸料等も年々増加するが、「返還・管理」は返還によって賃貸料が打ち切られ、管理賃貸料等が増加しないためである。また、「売却・管理」が件数において少ないにもかかわらず管理賃貸料等が多いのは、土地そのものを売却したことによるものである。(「表第6」次頁)
  • ロ、階層と件数から
    不在者個々の管理賃貸料等をみると、「返還・管理」では一〇万円以下が二二件、「施設区域等提供」では一〇〇万〜二〇〇万円が一三件で最も多い。また、全体的(一一七件)にみると三〇〇万円以下が一〇一件(八六パーセント)を占めている。このことから、不在者の管理(所有)金額は少額であることがわかる。(「表第7」)
  • ハ、地目・面積・筆数から
    不在者所有土地の全面積一一、〇七二・八七平方メートル中、「施設区域等提供」六、三五九・九六平方メートル、「返還・管理」四、二六七・九一平方メートル、「売却・管理」四四五・〇〇平方メートルで、「施設区域等提供」が最も大きく、全体の約五七パーセントを占める。なお、単純に一人当たりの平均面積を算出すると九四・六三平方メートル(二八・六二坪)となる。
    地目は全体(一一八筆)で見ると、墓地一〇〇筆、畑八筆、原野五筆、山林二筆、田一筆、その他二筆で墓地が約八五パーセントを占め、圧倒的に多い。このことは形態にかかわらず共通している。(「表第8、9」)

不在者土地に「墓地」が多い要因は色々考えられるところではあるが、一因としては去る大戦で米軍に土地を強制的に接収され、軍事基地になったことにより立ち入りを制限され、仕方なく民間地域に墓地を建設せざるを得ず、結果として該土地を放置、そのため土地所有の認識も薄くなってしまったことが考えられる。そのことは土地登記簿上において住所、所有権移転等も行われていないものが多いこと、また返還された土地の現地調査を行った際、「廃墓」が多かったこと等からもうかがわれる。

以上の項目から、土地連管理の不在者を総括すると「墓地所有で、所有する金額は少額」ということがいえる。

(六) 財産目録調製義務及び財産状況・管理計算義務

不在者財産管理人には不在者財産の収支を明確化するために「財産目録調製義務」(民法二七ー一、家審規三六)が課されているが、土地連においては、多数かつ長期の財産を管理している為、効率的見地からパソコンを活用した「財産管理台帳」の作成を行っている。「財産管理台帳」は不在者毎に作成され、その記載事項は基本及び関連事件番号、物件の表示(地目、面積)、管理賃貸料等の収受・引継ぎ・基地返還等である。また、事件の具体的状況を把握するための資料等作成も随時行っている。

「財産状況・管理計算義務」(家審規三三)の報告については、家庭裁判所からの求め及び定期的な会合の際など、適時行っている。


 

「表第6」


 


 

 


 

(七) 不在者等の調査及び確認

不在者財産管理人は、不在者等、管理財産の引き継ぎを受けるべき者に対して管理財産を引き渡す義務がある。そのため土地連においては財産管理人に選任された直後から「不在者等の調査及び確認」にあたって来た。具体的作業としては、
①不在者の土地が所在する地主会への照会
②当該土地登記簿謄本の取得及び閲覧による住所の移動及び所有権移転等による確認
③現地(住所)及び関係機関等への訪問による事情調査からの不在者移転先等の確認、
である。その結果、これまでに受け入れた不在者二四四件中、過半数の一二七件を確認することができた。
よって、現在土地連で管理する不在者件数は一一七件となっている。

確認された一二七件を時期毎(一〇年区切り)に見た場合、一九七五年(昭五〇)~一九八四年(昭五九)間に九三件、一九八五年(昭六〇)~一九九四年(平六)間に一九件、一九九五年(平七)~二〇〇四年(平一六)間に一五件と推移しており、年を経過するにつれ確認件数が減少している。

初期の段階(一九七五年~一九八四年)に九三件(全体の約七三パーセント)確認されているが、この時期の調査及び確認方法は主に、不在者の土地が所在する地主会への照会方法を採っていた。多くの不在者等が確認された理由としては、①地主会員の中に不在者等がいたこと②地主会役員らが不在者等を熟知していたこと等が挙げられる。一方、この二〇年間(一九八五年~二〇〇四年)の不在者等確認件数が三四件(二七パーセント)に減少しているのは、戦後六〇年を経て、世代交代が進み不在者等を知る人々が少なくなったことが考えられる。(「表第10」)

(八) 管理費用と報酬付与

不在者財産管理人事件においては、財産目録の調製、財産状況の報告、管理計算に要した費用をはじめ管理人の報酬等は、不在者の財産から支弁することになっているが、土地連においては、この費用、報酬については不在者財産から徴収することなく、これまで預かって来た管理賃貸料等を効率的に運用し、それから得た利息収入を管理費用等に充て、業務を運営して来た。しかし、近年の利息収入の大幅減により業務運営が厳しくなったことから、現在は家庭裁判所に対して「不在者財産管理人に対する報酬申立て」を行い、その許可を得て管理賃貸料等の中から報酬を得ている状況にある。

なお、報酬額は土地連会費相当額(賃貸料額の一、〇〇〇分の一・七)を徴収している。(後述「三 不在者財産管理の問題点と今後の管理運営方針」参照)

(九) 管理終了

  • イ、管理終了事由不在者財産管理人はあくまで不在者が管理できないときのたの一時的な制度であるため、不在者自ら管理できるようになったり、管理人を置くことができるようになったりした場合や、あるいは不在者が死亡したことが判明した場合は、このような制度は必要ないとしている。そのため法は管理終了事由として以下のことを定めている。
    ① 本人が自ら財産を管理できるようになったとき(家審規三七)
    ②本人の死亡が明らかになったとき(家審規三七)
    ③本人の失踪宣告があったとき(家審規三七)
    ④本人が委任管理人を置いたとき(民法二五Ⅱ)
    また、⑤管理すべき財産がなくなったとき、も同様のこととして考えられている。
    土地連におけるこれまでの管理終了事由をみると、①及び②が全部を占めている。なお、①については不在者財産管理人に選任された初期の時期に多かったが、近年は②が多くを占めるようになったことが特徴として挙げられる。
  • ロ、不在者等への管理賃貸料等(管理財産)引継ぎ管理人は管理終了事由が発生したときは、不在者等に対して、管理賃貸料等を引き継がなければならないが、具体的な管理賃貸料等の引継ぎを受けるべき者は、前記管理終了事由①の場合は不在者本人、②③の場合は不在者の相続人又は相続財産管理人、④の場合は不在者が置いた委任管理人としている。土地連の場合は、前記のとおり①及び②が全部であるから、いずれにおいても本人及び相続人等を証明するための書類等が必要となる。そのため、①の場合は、本人確認のための土地登記簿謄本、住民票抄本の取得。②の場合には、相続人確認のための土地登記簿謄本と戸籍、除籍、改製原戸籍謄本の取得を行っている。
    管理賃貸料等を引き継ぐ場合には、受領書(実印の押印)と印鑑証明書の請求、相続人が多数いる場合には全員からの受領書を受けるか、またはその全員からその内の一人を管理財産の受領に関する代表者として定める承諾書及びその代表者からの受領書を受けることにしている。また①及び②の不在者等が国外に居住している場合には居住している国からの署名及び拇印証明書を受けることにしている。いずれにしても管理人としては、管理賃貸料等の引継ぎは最も重要であることからその引継ぎに当たっては細心の注意を払い、疑問な点があれば監督すべき家庭裁判所の判断を仰ぎ処理することにしている。
  • ハ、管理処分の取消し家庭裁判所においては、管理終了事由①~④が発生したときは、財産管理人に財産を管理させる必要がないため、不在者本人、利害関係人、検察官等の請求によって管理人の改任を含む処分の取消しをすることになっている(家審規三七、民法二五Ⅱ)。(管理処分の取消しというのは、実際上は管理人選任処分の取消しであり、実質的に見れば管理人の地位を解くものである。)
    管理処分取消しの手続きと申立:管理終了事由①〜③の場合における申立権者は、不在者本人又は利害関係人であり(家審規三七)、同④の場合は不在者が置いた委任管理人、利害関係人又は検察官(民法二五Ⅱ)であるが、管理しているものについては土地連自体が行っている。土地連が申立権者となる理由は、申立手続きが煩雑で不在者等に高齢者が多く、不慣れなことから長時間に要し、場合によっては取消し手続きが不可能となる恐れがあること。また、土地連においては、不在者等が判明した場合はできるだけ早急に処理していくという方針等によるものである。
    なお、申立に際しては「不在者の財産管理人選任処分取消申立書」(申立人、不在者、申立の趣旨、申立の実情等を記載)、添付書類として「土地連の法人登記簿謄本」、「居所判明者調査」(事件番号、不在者名、物件所在地、不在者及び相続人、管理金額を記載)、また、不在者に係る書類としては土地登記簿謄本、住民票抄本、戸籍謄本等を必要とする。
  • 二、管理終了報告及び管理人の任務終了不在者財産管理人は管理財産の引継ぎを受けるべき者に対し、引継ぎを完了した後は管理の経過や現在の財産状況等を記載した管理終了報告書及び引継ぎに関する書類を家庭裁判所へ提出することになっているが、土地連の場合は管理賃貸料等の収受及び引継ぎを記載した「賃貸料等簿」、物件所在地と管理状況等、預貯金の額と管理状況等、管理財産(管理賃貸料等)の受領書(写し)、印鑑証明書等を提出することにしている。該管理終了報告書等が提出されることにより、前記ハ、「不在者の財産管理人選任処分取消申立」に対し家庭裁判所から不在者財産管理人選任処分を取り消す旨の審判が出され、その「審判書謄本」が財産管理人(土地連会長)宛、送付されることになる。ここにおいて、不在者財産管理人の任務は正式に終了することとなる。

三 不在者財産管理の問題点と今後の管理運営方針

土地連が、一九七四年(昭四九)に不在者財産管理人に選任されてから長期に亘っている。そのため、選任当初には想定していなかった管理上の問題が発生するようになった。そのことから、土地連においては「管理している居所不明土地(不在者財産)について調査を行い、今後の管理・運営の方針について検討することを目的」とする調査検討委員会を設置した。

(一) 「居所不明土地の管理に関する調査検討委員会」の設置

同委員会(我那覇祥義委員長)は、二〇〇三年(平一五)九月六日に設置され(委員は土地連理事、顧問弁護士、元事務局長からなる七名で構成)、二〇〇四年(平一六)一月十五日までに五回の会合を行い、同年二月九日にはその調査検討内容を取りまとめ、報告書として土地連会長宛に提出した。

同報告書の概要は、次のとおりである。

経過として、
土地連は一九七四年(昭四九)二月、那覇防衛施設局から不在者土地の財産管理人依頼を受け、役員会で検討したところ「土地連が管理することにより関係地主の財産権保護につながる」として、その受諾を決定、同年三月には那覇家庭裁判所から財産管理人に選任された。以来、土地連は、不在者の財産を管理してきたが、結果として一九七四年(昭四九)に財産管理人を受諾したことは、関係地主の財産保全上からも有意義ある適切な判断であったと思われる。(このことは、管理財産二四四件のうち、居所不明(不在者)土地所有者が確認された一一六件については、すでに所有者への支払い精算がなされた実績がある。一二〇〇三年十月一日現在ー)

当時において、仮に土地連が財産管理人を受諾せず、あるいは土地連に代わる財産管理人が選任されずに放置されていたならば、かかる不在者の所有財産は、一連の法的手続きを経て、全て国庫に帰属していたであろうし、関係所有者の不利益は計り知れないものがあったことは明らかである。不在者の財産管理に伴う管理費用については、那覇家庭裁判所からの文書等による具体的な取り決めは存在していないが、土地連はこれまで預かってきた管理財産賃貸料を効率的に運用し、それによって得た利息収入を管理費用に充ててきた。即ち、利息収入を管理費用に充てることにより、預かり管理財産賃貸料等を減ずることなく、不在者への負担軽減を図るよう極力努力してきたところである。

問題点として、
①土地連が財産管理人に選任されてから二九年経過しているが、なお一二〇件(二〇〇三年十二月一日現在)に及ぶ居所不明(不在者)土地所有者が未確認となっていること。②本来ならば専従職員を置いて居所不明者(不在者)の調査確認事務を行うべきであったこと③近年の金融情勢の変化により預金利率が大幅に低下、利息収入による運営が厳しい状況となったことから、平成一〇年度以降は一般会計予算から繰り入れて事業運営をしていること等が挙げられる。

結論として、
「土地連が財産管理人として、居所不明(不在者)土地所有者の財産を管理してきたことについては、評価できるものであり、居所不明(不在者)土地所有者の財産権保護の上からも、同事業は継続していくべきであると考える。よって、当委員会としては、居所不明(不在者)土地に係る今後の運営のあり方について①居所不明(不在者)土地の財産管理については継続して進めることとし、当分の間(三、五年を目処)は所有者の確認作業に鋭意努力すること。そのため、臨時的専従職員を配置すべきである。
②今後の管理費用については、一般会計予算からの繰り入れ措置は改め、預かり管理財産賃貸料から支出する方向で進めていくこと」を決めた。
同報告書は、その後の理事会で審議決定され、総会で承認された。

以上のことから、二九年後にして改めて土地連における不在者の財産管理方針が決定されることになったわけであるが、不在者の財産管理にあたっては、委員会でも述べられているとおり、一九七四年(昭四九)二月の役員会で決定された「土地連が管理することによって、地主の保護にもなる」との原点に立ち、軍用地主及び元軍用地主であった不在者等のためにも、その確認に努めるとともに、管理財産の引継ぎに万全を期さなければならない。

(二) その他

不在者財産管理人関係事件は、目的が財産を管理して保存することにあり、その為に長期化する要因を内在させていると言われている。

土地連は不在者の確認については、これまで全不在者のうち過半数の不在者及び相続人を確認し、管理賃貸料等の引継ぎをなしたところである。しかし、今後の不在者等の確認及び管理にあたっては、容易ではない。その理由としては、戦後六〇年を経過したことにより、①不在者等を知る人が少なくなったこと、②不在者が死亡しているものの相続登記がなされず放置されている可能性があること(特に墓地地目)、③相続人がいる場合においても相続人間の問題で相続登記に至らず、結果として管理賃貸料等の引継ぎができないものがあること、④相続登記がなされていても相続人の事情により管理賃貸料等の受領を拒否する不在者等がいること、⑤その他、土地(特に墓地地目)そのものの存在について知らないこと等、によることが挙げられる。

また、不在者の定義としては「従来の住所又は居所を去って容易に帰来する見込みのないものをいう」(民法二五Ⅰ)としているが、土地連が管理する不在者には土地登記簿上において、所有者として記載はされているものの、その住所自体でさえ明らかでないもの(例、〇〇村〇〇区〇〇番、〇〇村字〇〇以下不詳、〇〇村以下不詳など)が相当数見受けられる。

現在、土地連においては専従職員を配置し、不在者等確認のため土地登記簿謄本の再点検、現地再訪問、関係機関の再訪問による事情聴取等を実施し、集中的に取り組んでいる。そして、その結果において、最終的に確認及び管理賃貸料等の引継ぎが出来ないものについては、その状況を整理し、管理のあり方について検討する必要があろうかと思われる。

前述のとおり、土地連が管理する不在者土地の形態は、「施設区域等提供」「返還管理」「売却管理」に区分されるが、「施設区域等提供」については、毎年の賃貸料を請求及び受領し、その金員を管理・保管。「売却管理」については、家庭裁判所から権限外行為の許可を得て、土地を国及び県等の公的機関に売却し、その金員を管理・保管している。よって、いずれも土地そのものの管理を行う必要はなく、業務としては主に賃貸料の請求・受領及び管理・保管、不在者等の調査及び確認作業、不在者等を確認した場合の管理賃貸料等の引継ぎ、家庭裁判所への財産管理人取消し等一連の作業を行うことになる。しかし、「返還管理」については、前記の業務以外に、返還土地の管理義務もある。(財産管理人は、管理にあたっては高度の注意義務:善良な管理者としての注意をつくす義務。)

これまでに返還された土地は、五九筆、五市村に所在しており、土地連が管理する不在者土地の半数に上る。

これらの土地については、現在のところ第三者による不法使用、占有、ゴミ等の不法投棄は見受けられない。しかし、これらの事態はいつ発生するとも限らず、普段から土地の監視を注意深く行う必要があり、その責務とそれに伴う時間的労力も大きいものがある。そのため現在、土地連においては監督官庁である那覇家庭裁判所と定期的に会合を行い、不在者等の確認、管理賃貸料等の引継ぎ、返還土地の管理などの諸問題について指導・助言を得ながらその解決に努めている。

【主要参考資料】

  • ・不在者・相続人不存在 財産管理の実務
    (財産管理実務研究会編、二〇〇二)
  • ・財産管理人選任等事件の実務上の諸問題
    (財団法人法曹界発行、二〇〇四)
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